固体がボイドを含むと応力集中によりその強度は大きく低下することが指摘されている。しかしゴムにCB等の微粒子を添加するとナノボイドが形成され、その強度が改善、また熱可塑性高分子に強度の低いエラストマーを添加するとボイドが形成されタフネスが大きく改善することが知られている。最近のサイエンスには金に多数のボイドを分散させるとその強度そしてタフネスの得られるとの報告もある。これらはボイドによりひずみの拘束が解放され、応力集中が緩和された結果と理解出来る。
 それは強いひずみの拘束をもたらす粘着剤の強度にも適用出来ると推察している。

0. 初めに
1. 応力集中による固体の破壊とその緩和による固体の高弾性・高強度化
 1.1 応力集中による固体の破壊
 1.2 応力集中の緩和
  1.2.1 ボイドによる体積弾性率の緩和
  1.2.2 ひずみの拘束の低減による応力集中の緩和
2. 均一に分散したボイドの応力集中の緩和による高弾性・高強度化
    2.1 ゴム弾性体を用いたボイドの分散による高弾性・高強度化
        2.1.1 ゴム弾性体を用へのボイドの分散による高弾性、高強度化の例   
        2.1.2  ダブルネットワークゲルへのボイドの分散による高弾性、高強度化の例 
 
    2.2 塑性体へのボイドによる高弾性・高強度化
  2.2.1 高分子塑性体へのボイドの分散による高強度・高タフネス化
  2.2.2 ボイドの分散による金の高強度・高タフネス化
3. まとめ